産繊新聞社

「㐂・一澤」店舗の暖簾

「㐂・一澤」店舗の暖簾

当紙新春特集号で紹介したが、「㐂・一澤」店舗の「水引暖簾」の特徴の一つは、棹を留めるための輪っか「乳(ち)」の縫付けに五芒星といわれる星型の文様「清明桔梗(セーマン)」や横5本、縦4本の線からなる格子状の印「九字(ドーマン)」、そのほか「輪鼓(りゅうご)」といった文様や「叶」の文字を入れたところにある。現在では「□に×」で縫い付けるのが一般的な「乳」。ところが戦国時代から江戸時代にかけて、旗や幟の「乳」の部分は願いを叶えるための祈りの形としてこうした文様をよく入れていた。「清明桔梗」や「九字」は陰陽道で魔除けの呪符として伝えられる。
「暖簾」に限って言えば、こうした文様を乳の縫付けに使う習慣は文献に残っていないが、水引暖簾の色彩のことを考えると、どこかで一致点を見つけられないだろうか。生と死の狭間にある戦の中で使われる「旗」や「幟」には縫い付けで「お守り」、「暖簾」は色彩で「防火呪術」。日本の「もの・物質」の定式には、他の国の人が理解しづらい日本独特の文化があるように思う。
一澤の暖簾乳
喜一澤店舗の暖簾(清明桔梗㊧や九字㊨で縫い留め)

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