産繊新聞社

台北市内膜構造視察(14日、15日)

台北市内膜構造視察(14日、15日)

 14日(日)はMATSUI TIGER TAIWAN ENGINEERING社の松井宏彰社長にご案内いただき、台北市内の膜構造を見学した。まず向かったのが、2010年11月6日~2011年4月25日まで開かれた台北国際花卉博覧会(台北国際花博覧会・花博)跡地。ここには、博覧会後も施設として活用されている膜構造物がたくさん残っている。
 まず、見学したのが新生公園エリアの未来館。同館は屋根にETFEフィルム(旭硝子)を採用した台湾初のインテリジェント省エネ温室建築で、現在は植物園として使われている。一番外側が250ミクロン、中間が100ミクロン、最も内側が200ミクロンのフィルムを用いた三層構造で、コンプレッサーでエアーを注入している。ETFEフィルムの構造物は、上海万博の際日本館に用いられ脚光を浴びたが、未だに日本では法律の関係で認められていない。膜構造物の将来を担うといっても過言でない素材だけに、国土交通省の今後の動きを注意深く見ていきたい。なお、当日は閉館日で内部に入っての見学はできなかったが、フィルムに柄を入れることで透光率を変えるなど様々な工夫が施されているとのことであった(約1、000㎡)。
その後花博開催時にバス停やステージとして使われた膜構造を見学した。構造的にはさして特長を持ったものはないが、気になったのがそれぞれの構造物の膜の汚れ。まだ、2年そこそこしか経っていないのに、とにかく汚れが目立つ。松井社長によると同国は購買法から必ず競争入札になるため、価格競争に陥りやすい。入札に参加する各社は、コスト的に安価な素材を提案せざるを得なくなりどこかで弊害が生まれるとのこと。ちなみにMATSUI TIGER社はこの入札には参加しなかったとのことである。
その後MRT圓山駅前のバス停の膜構造(テフロン膜、約1、000㎡)を見学後、台北市松山区の台北市陸上競技場へ。同競技場はもともと台北市立体育館であったが、2009年夏季デフリンピック開催時に競技場として建て替えられた。スタンド2箇所にテフロン膜8、000㎡と5、000㎡の屋根を設置したが、5、000㎡側の膜は近隣住民よりまぶしいという苦情があり、一部メッシュ生地で覆ったということである。松井社長に聞くと、台湾では教育現場での膜構造需要は、底堅いものがあるということであった。
見学は午前で終了、昼食後は20世紀初頭のレトロ色の強い三峡の老街、土産物の商店が多い迪化街を見学、台湾の雰囲気を堪能した。
未来館 未来館の屋根はETFEフィルム採用
花博会場テント 台北国際花卉博覧会跡地に残るテント
圓山駅前膜 MRT圓山駅前のバス停の膜構造
台北市陸上競技場 台北市陸上競技場のスタンド膜

 最終日の15日(月)は、午前中は自由行動。テント・オーニングを探して、街歩きをしてみる。若い人が集まる場所にはデザイン性の高いテント・オーニングがあるのではないかという単純な発想で、ホテルの従業員に学生街の場所を聞くと台湾大学周辺を紹介いただいた。ホテルから大学までは地下鉄を乗り継いでも片道30分程度。12時にはホテルに十分戻れるので、目的地を台湾大学に設定。ホテルから最寄りの双蓮駅へ、ここから7駅先の公館駅に向かう。台湾の地下鉄は初乗り20元、当時の為替レートは1元3円強だったので、約65円程度と日本に比べれば格安である。こちらは切符ではなく、ICコインを購入、自動改札機もこれ一枚で入場から出場までできる。
台湾大学は、日本統治時代から続く歴史ある大学。「中に入ってもよいのか」と恐る恐る警備員に聞いてみると、意外にも「どうぞ」というフランクな回答。門をくぐるとそこには「椰林大道」と呼ばれているプロムナードが果てしなく続いていた。一番奥の総合図書館まで歩いてみたかったのだが、同日は初夏の暑さ。途中でしんどくなりキャンパスを巡ることを諦め、駅に引き返す。運動場を挟んで台湾大学総合体育館のドーム構造が見えたので、1枚写真を撮影した。 
 公館駅近くは、台北市内の中では整然としているほう。また、留学生なのか、欧米の若い人間もあちこちで見かける。ただ、周辺に韓国の新村・梨大(シンチョン・イデ)エリアのようなファッションタウンが広がっているわけではなく、オーニングや装飾テントも見られない。唯一、宿泊ホテル周辺と比べて違っていることは、バナーが多く掲げられていること。そのバナーはすべてメッシュであったので、台風の多い地域柄、風には気を使っているということなのだろう。
その後地下鉄で双蓮駅に戻り、周辺の市場をブラ歩き。屋台でタピオカ入りのジュースとゴマ団子を購入し休憩、活気のある市場を覗き、残りの時間をすごした。帰りは桃園空港15時15分発(日本時間16時15分発)のキャセイパシフィック航空CX564便で帰国、関空に19時20分に到着した。
 今回、2泊3日という短い時間であったが、台湾のサイン・テントのトレンドを知ることができた。総じていうと、国民性なのかテントは実用性を重視した使い方をすること、サインもアイキャッチなどの機能さえ果たせれば、素材・施工方法にはこだわりがなさそうである。その一方、日本に比べると比較的規制が緩いことから、膜構造の可能性は大きいようにも思えた。最後にお忙しい中、見学にご同行いただいたMATSUI TIGER社の松井社長に感謝を申し上げたい。
台湾大学 台湾大学のプロムナード
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