産繊新聞社

台北市内街並み視察

台北市内街並み視察(13日)

 初日、大阪・関空を11時に出発、台湾・桃園空港に午後1時30分(現地時間)に到着した。到着後は宿泊先のグロリアパシフィックホテルまでの道中、台北市内の街並みを見学する。
 以前来た時も感じていたのだが、台北市は景観という点では私自身、あまりきれいだとは思わない。市内には古いマンションが多く建っているのだが、大通りに向けて室外機を露出させている点が気になっていた。建物の外観や街路の景観を大切にする欧州地域では、エアコンの室外機は、通りから見えないように設置するのが基本で、「何で国の中心部である街並みがこんなに汚いのか?」というのが第一印象である。台北市内では、近年都市の再開発計画をめぐる是非が議論となっていて、その中では街の景観が検討の対象となっているそうだ。
 帰国して街づくりの先生とお会いする機会があり、そのことをお話しすると、先生もその光景を目の当たりにして驚かれたことがあるといわれていた。ただ、同国では、「景観」と「居住のしやすさ」を天秤にかけたとき、「居住のしやすさ」を選ぶ専門家が多いとも言われていた。つまり、景観というものは、国民の生活や歴史が積み重なってできるものであって、人工的に作ったものは本当の景観ではない。景観のために、あえて暮らしやすさの追求を放棄する必要はないという意見を持つ人が多いのだという。
台北市内にはピロティ形式のビルが多い。ピロティとは、2階以上の建物において地上部分が柱(構造体)を残して外部空間とした建築形式のことで、1階部分は外から3mぐらいを歩道として確保し、その奥に商業施設のウインドウを作ったビルが多く見受けられた。実際には建物と建物の間に道路があるため連続体にはなり得ないが、ピロティ形式は雨の日、傘を指さずに歩行者が歩ける動線を作ることができる。これも「居住のしやすさの追求」のひとつなのだろう。ただ、夜間は多くのバイクが不法駐車されているし、歩道自体がでこぼこしていて、本来ピロティ形式が持ち合わせている機能は完全に失われているような気がした。
台北市内マンション 台北市内のマンション(画像一部修正)
ピロティ構造 台北市内のビルのピロティ(画像一部修正)
夜間 夜間のピロティ下(画像一部修正)
ピロティ構造もあってか、台北市内の建造物には装飾テントはあまり見かけられない。歩行部分に外から雨が降り込むためか、それを防止するためのオーニングは各所で見かけられたが、どれも生地はボロボロ。取り付ける高さもまちまちで、このあたりにも実用性を重視する国民性が感じられた。
サインの中にも興味深いものが多く見られた。ホテル近くの携帯電話ショップにビルを覆うシート製のラッピング広告があったが、驚いたのはその取り付け方。ハトメに針金を通し、壁に打ち付けた釘に直付けしテンションをかけるという日本では考えられない取り付け方である。屋上広告も風抜けのための工夫が施されてはいるが、やはり簡素な取り付け方で台風の多い国で大丈夫なのだろうかと心配してしまう。ただ、大きな事故が起こったという話も聞かないわけだから、見た目の問題を差し置けば、実際はこうした取り付け方で十分で、日本はオーバースペックともいえるのかもしれない。
看板を作る材質・照明にも興味をもった。シート製のバックリットやアクリル看板もあるにはあるのだが、多くは半透明ボードで、よく見ると、DIYでよく売られているプラダン(プラスチックダンボール)っぽい素材が多く使われていた。内部照明は蛍光灯が多く用いられているが、LED照明を使った看板や一昔前のネオン看板もいまだに現役であった。店舗看板は、その店をアピールするための設備と考えられるが、台湾は通行人に店の名前やサービスを伝えることができればよいという発想で、あまりここに投資しない国民性があるのかもしれない。
最後に、強く印象に残ったことは、建築現場の仮囲いである。大雑把な街にしては、仮囲いに壁面緑化(緑化ウオール)が普及していることに驚いた。これは国が推進していることなのか、ビルの建築会社が自発的に行っていることなのかはよくわからないが、環境対策に力を入れているのは確かなようだ。一方、欧州などで普及している屋外のカフェテラスが泊まったホテルの周辺に一切なかったことから推測すると、この国は中国同様、大気汚染がひどく、椅子を街路においてオーニングの下でコーヒーを飲むという光景はありえないのかもしれない。
オーニング ボロボロのオーニング(画像一部修正)
ビルラッピング ビルラッピング(画像一部修正)
テンションのかけ方 針金でテンション
壁面緑化 工事現場の壁面緑化

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