産繊新聞社

暖簾の語源とその歴史

暖簾の語源とその歴史

「暖簾」の古称は「たれむし」。当時日本古来の植物であった苧麻(からむし)の繊維で織った布を使っていたことから、「からむしの垂布(たれぬの)」=「たれむし」となったといわれている。「暖簾」の文字がはじめて図書に出てくるのは室町中期のことで、住居に必要な屏障具として「暖簾」が紹介され、同時に「たれむしろ」と解説されている。それが時代とともに「のれん」といわれるようになるのだが、その語源は禅語の「のうれん」から出でたという説が一般的である。「暖簾考」(谷峯蔵著)では、〝『のうれん』は当初、元語・宋語で『なんれん』と発音、『暖』は『ダン・ナン』の字音でこれを当て字ならぬ当て読みに固定したとみるべきであろう〟と記している。与謝蕪村の句に「なうれんのこち吹く伊勢の出店哉」、松尾芭蕉の句に「のうれんの奥ものゆかし北の梅」というものがあり、「のうれん」「なんれん」という単語は、江戸、明治、大正とつい最近まで使われていた。
 続いて歴史についてであるが、暖簾に関する古い書には「鎌倉時代がはじまり」と書かれているものが多い。これは鎌倉時代末期に暖簾の名称が出展されている『勅修百丈清規』が中国から輸入されたことからで、実際には平安後期の「信貴山縁起絵巻(1135年ぐらい)」や「年中行事絵巻(1156年ぐらい)巻16<賀茂祭の行列>」に描かれた民家の屏障具として入り口や窓に色布を掛けている光景が見えることから、正確な時期までは判断がつかないが、平安時代初期もしくはそれ以前の奈良時代にはすでに存在していたと考えられる。
信貴山縁起絵巻 信貴山縁起絵巻に登場する暖簾

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